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 三池炭鉱



 三池争議体験者のライフヒストリー

 三池争議のときの組合歌−炭掘る仲間・がんばろう−

 三池炭鉱の本:書評(1)『三池のこども』

 三池炭鉱の本:書評(2)『見知らぬわが町』



<三池炭鉱について>


 大牟田で生まれ、育ったわたしにとって、三池炭鉱ということばは懐かしい響きをもっている。しかし、18年間大牟田に住んでいたにもかかわらず、三池炭鉱のことをどれくらい知っていただろうか。教科書的な知識をいくらか知っていたところで、炭鉱で生きた人々の小さな物語については、全くといっていいほど知らなかったのだ。『見知らぬわが町』(葦書房)は、大牟田市に住む中川雅子さんという女子高校生が、自らのアイデンティティを模索する過程で、三池炭鉱と出会い、それまでとは違った町の風景を一つ一つ解き明かしていく話であったが、わたしもまた自分のルーツを問うなかで、三池炭鉱といやおうなく出会うことになったのである。中川さんの物語は、高校生の自分探しと三池炭鉱の歴史の学びがシンクロしたすばらしい作品だった。わたしもまた教育研究者としての自分探しと深くきり結びながら、わたしにとっての三池炭鉱を描いていきたいと考えている。
 1997年の夏、故郷に帰り、三池炭鉱とともに闘ってきた人たちの話を聞いてきたが、三池のあまりの大きさに、足が立ちすくみそうになった。三池が、わが人生という方々がたくさんおられるのだ。長いみちのりになりそうだが、三池の小さな物語を拾い集めながら、三池の人々が闘ってきた時代がどのようなものであったのかを探っていきたいと思っている。