研究もどき内容
まず学問分野のジャンル分けから説明させていただくと,地学(地球と宇宙の何やかんやらやらを扱う)の中の地質学(おおむね地面から下の部分を扱うが一部地表付近にある水やら何やらとも関わる.普通は今の事より昔の事,長い時間かかって起こる事を扱う.一部のエラい人を除いて算数やら物理に弱い人のいる分野→殴られそうですが)の中の岩石学(地面の下の構成物の中でも,とりあえず硬いものを扱う)に位置しております.
岩石,というと我々が手にする事のできるものは教科書的には火成岩(マグマが冷えて固まった岩石),堆積岩(水中などでものが溜まり,それが熟成・固結した岩石),変成岩(何かしら既存の岩石が原則的には融解すること無く再結晶してできた岩石),およびマントルを構成する岩石(主にかんらん岩と呼ばれるもの)などがあります.堆積岩は,話すと長くなる理由からおおよそ主流的岩石学の対象物からは除外されている事が多く,専門は岩石学です,などとほざく人たちは,他3種の岩石の中のいくつかに関わっているのが普通です.日本には専門が変成岩岩石学です,などと主張する人が少なからずいますが(そんな人が存在できる/できた,事情の一端はこのページの下の方のパラグラフ参照),それはあまりにも間口を狭め過ぎというものでしょう.
3種の岩石の中で火成岩の研究者は数多くおられます.もちろん日本なんかでは,あちこちでちょこちょこ噴火などおこりますから,その意味で幾ばくか「実用的」な学問になる可能性があります.また地球が形成してから現状のように進化するにあたっては融解ー固結に伴う分化(元素移動)が最も重要なプロセスの一つでしょうからマグマ生成論が地球科学の中で一大分野を占めるのは当然と言えましょう.
火成岩岩石学の中では,何となくマントル物質が溶けて出来た岩石,普通は玄武岩と呼ばれるものの成因論がエラくて,それ以外の岩石の成因はよりいろいろ面倒なところがあり地位が下にあるような感じがします.私はそのあまりエラくない地殻物質の融解が成因に深く関わってくる花こう岩等(エラくない証拠に日本の戦後において当該分野で一番エラい先生の一人が,その学生の某に「そんなバカな事を言っていると,花こう岩かテフラでもやってもらいますよ」と言ったとか.大昔の伝聞の記憶で書いているので大嘘かもしれませんが,雰囲気的にはありそう)の岩石を扱う事が多くなっています.別にそれだけをやろうと言うわけではないのですが,たまたまそうなってしまいました.かといって,「花こう岩研究者」という国内外の一団の人々とは全く交流のない状態であり(日本でHutton Symposiumが開かれた時も行かなかったような事では,業界人としては認めてもらえないでしょう),そもそもは卒論からかなり長い間上記の「変成岩岩石学」の人でしたので,単に無節操にあちこち転んでいるだけです.
日本では地質学の中では岩石学に近い分野の人の中にかなり世界的,と言ってよいであろう大家が戦後何人かいた事およびその方々の下に一定期間スクールが形成された(私自身もそのようなスクールの一つの崩壊期に末席を占めていました.その先生には「クソ勉しろよ!」と激励されましたが,ぼやぼやしていて現状のような体たらくです)事もあって,何となく大きな顔をしている(いろんな大学でのポストを結構占めている)感がありますが,今後は間違いなく縮小してゆく分野であろうと考えています.そもそも地質学自体が,坂道を転げ落ちるように衰退している中で,どのような方針で研究もどきをすすめてゆくべきか悩んでおります.とい,いいつつ,無能故妙案無く,また生来の貧乏性のため,ついつい目先の事に走ってしまう今日この頃です.
もう少し具体的な内容は,これから追々書き加えてゆきたいと思います.