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一枚の写真 ![]() 98c1049 中村麻寿美 タワーをななめ下から見上げると、ごちゃごちゃと網目のように柱が交錯している。それはとても乱雑に見えるが、太さも長さも形もきれいにすべてが整っていて、安心して眺めていられる。タワーの中身は空洞で脚もとは丸くふちどられている。そのふちどられた部分の模様はまるで外国のおしゃれな家の庭柵のようだ。中央の空洞から向こう側を見ると、タワーの途中に建物があるようであり、もしかしたら展望場のようになっているのかもしれない。人が一人そこから下を見降ろしている。そうとう小さいから、きっとこのタワーはすごい高さなのだろう。多くの柱のすきまからは空しか見えない事からもそれはうかがえる。途中に見えた建物には何か英語で書かれたかんばんがある。店のようだ。下から見上げるととても小さく見えるが、これも相当な大きさに違いない。 98c1047中越弥生 ヨーロッパ調の模様がほどこされたタワーを正面の下から見上げた。よく晴れた日で上からたくさんの光が射し込んできてタワーの中で光と陰が交錯して、外側のシルエットだけがきれいに浮かび上がっていた。タワー中断にあるガラス張りのセンターは光をはなち、異空間のように見えた。タワーを構成している鉄骨からは決して冷たい感じは受けない。 98c1069 守岡佑基 一見、スタジアムの天井に見えるが、これはエッフェル塔をしたから撮影したものである。普段は全体像しか見られないが、土台である四本の支柱は数千本の細い鉄骨が複雑につながれて強度を高め形成されている。支柱の隣どうしを結ぶアーチ状の大きな鉄骨にはかわいらしい模様をつけることにより観光客の目を少しでも引きつけられるようにと考えられている。下から見て中央に空間ができている。 98c1097 根岸正光 ヨーロッパのどこかにありそうな塔で、中央にきれいなレストランがある。この塔はとても高くそびえていて、どこか高級感を感じ取れる。また、この中央にあるレストランの前に三角すい状の建物があり、もしかしたらそこから水が出ていて噴水になっているのではないかと連想する。 そのほかに、そのレストランの建物の上にも建物らしきものがありそうで、この塔は、とても高いように感じられる。塔の見た目の色は高級感をかもし出しているので金や銀色で統一していると思う。とにかく、一度見たら印象に残る塔であることは間違いない。 98c1156 尾山智洋 下から見るとどこかにある塔のようだが、それが何塔なのかはわからない。何となく東京タワーのようで東京タワーではない。エッフェル塔も考えられたが傾いていないから違うだろう。これはいつごろつくられたもののだろう。写真が白黒だから、古さや新しさが全然伝わってこない。しかも写真の真ん中に人間らしき人が立っている。そしてその上には文字らしきものも見える。よくよく考えるとどうして人が立っているんだろう。どうやってあそこまで来たのか。写真の下半分を見る限りは、エレベーターらしきものは見あたらない。登ってきたのか?そうだ。そうに違いない。とは言ったものの本当に登ったのか?それは見てないからわからないが、ものすごい力持ちの人間に違いないとということは間違いない。しかし一体この建物は何だろう。何のために、そしてどこで誰がたてたのか僕には全くわからない。僕はこの難しい問題に久しぶりに頭を抱えて悩んだ。 98c1096 山下英子 巨大なタワーの一階にあるお店だろうか。はじめは橋の上に店があり、下から書いた絵とも思った。しかし、橋ならば下から上が見られるはずがない。車が通っているだろうと考え、真ん中に穴があいているのは少し変だろう。タワーならば空いていても橋よりも不思議ではない。小さく見えているお店は最近建てられたものならばアウトレットモール、休日になると駐車待ちになってしまうほどの大繁盛。きっと休日は水曜日だろう。 98c1058 金丸亜樹 鉄骨が縦、横、斜めに組み合わせられてできている。三角すいのような形である。底辺にあたる部分は、全てアーチ状になっている。アーチの部分には、曲線を使った同じデザインを繰り返し、直線が目立ち、かたい印象のある全体の中で、この部分だけが、範囲は少ないながらも優美な印象を与えている。 この三角すいの頂点の部分を切って平らにし、下から見上げた角度で撮られた写真である。建造物の上部には、左右対称で、横の方に長く広がった建物を小さく見ることができる。 印刷物がモノクロームであるため、よけいに、曲線と組み合わされた幾筋もの直線がもっとも印象的に映る。下からの視点は、この建造物の大きさを際だたせ、さらには荘厳な感じすら与える効果があるようだ。 98c1017 高津真一郎 網目模様のすきまから何本もの光が下の方へとさしている。その光によってそのものの形が明らかになってくる。光は全てのものの正体を教えてくれる。この写真の中央にはずっしりとレストランが構えて、そこを動こうとはしない。彼にとって、その場所は不動の場所であり、もっとも居心地がいいのだろう。何本にも折り重った鉄柱一本、一本がこの建造物を演出している。曲線を描いている者、模様としてそこに構えている者。一本の線として他の者と共演し、一つの作品となっているものなど一つ一つの自分の持ち場を担当している。そんな中で光はその曲線美や模様を他の者たちにアピールするためにさらに演出しているのだ。光々とさす光の中で他のどの建造物よりも自分を光かがやかす努力をしている。 98c1005 久松由樹子 この絵から私なりに想像をすると想像をすると、これは何かの塔………東京タワーのような………のように見える。この塔の左右の足から足にかけて曲線があり、その一つ一つの枠にはヨーロッパを思わせるようなデザインがほどこされている。真ん中には吹き抜けのような空間があり、下からのぞいているように描かれたこの絵には中央部に、誰がのコンサート舞台のような建物が見うけられるが、そうであるとするならばこの塔はとてつもなく巨大な建物であるということになる。 98c1136 真下杏子 それは大小様々な大きさの鉄の棒からできている。棒は縦や横や斜めにからまり合いながら一つの建造物を構築している。ここからではそれが何であるかはわからない。橋であろうか、塔であろうか。四つの足が四方地面から生えている。足と足の間はきれいな半円を描いてぽっかりあいている。半円の緑には鉄の棒で美しい装飾が施されている。 上の方はあまり見えない。鉄と鉄の間からはたくさんの光とかすかに何かが見える。ステージがあるようにも見える。人も何人かいるのかもしれない。ステージらしき者の中央にはローマ字で言葉が書かれている。また、そこには人であるか像であるか、確かに何か置かれている。ステージはの背景は左右対称で中央が高く、左右は少し低くなっている。 さらには上はどうなっているのだろうか。空だけが広がっているのかもしれないし、上へ上にと鉄の棒が続いているのかもしれない。とにかくそこへ行けばわかることだ。 98c2037 三嶋昭彦 大きな塔をしたから見上げると、その中心あたりのポッカリと開いたところには入口らしき建物がひっそりと建っていた。左右対称のそれは確かに建物だし、正面には人を受け入れる雰囲気が感じられる。しかし、あの場所まではいったいどうやって行けばいいのだろうか。「入口」にたどり着くために、また入口をさがさなければいけないのだろうか。そうだとするとあの「入口」はどこへ行くための入口なのだろうか。もし最初に見つけた入口の終点があの場所なら、あそこは「入口」ではなく「出口」だということになる。 ただしたから見上げるだけで「入る」ことができるのか、「出る」ことができるのかもわからない今の僕にとっては、あの建物はただの「建物」でしかないのかもしれない。 98c1120 山内淳 どこか外国にある建物のようである。あらゆるところに欧州によく見られるような模様が見られる。東京タワーではないと確信しているけれど、どこの何という建物かはわからない。ひょっとしたらエッフェル塔ではないか?と思ったけれど、この写真の中央に見える、売店らしきものの上には○○マートと英語が書かれているように見える。また、売店の前には噴水のようなものが見える。 さて、この写真からこの塔の高さを推測してみる柱の大きさ、売店や噴水の大きさから判断して、僕は500メートルくらいではないかと思う 上の売店に行くにはエレベーターがあると思うが、この写真を見る限り、エレベーター、または階段らしきものは見あたらない。いったいどこから登るのだろうか。 また人影は全く見られず、なんだか寂しい感じがする。天気は、写真のせいかくもっているようだ。 98c1153 押野あかね 無数の鉄骨で組み立てられたアーチ型の橋、斜め下から見上げるように撮られた構図によるのかもしれないが、かなり大きな建物であるように思われる。 橋の下を流れるのは、川か、人か、車か、鉄道か、詳しいことは全くわからない。もしかしたら、これは橋ではなく、ゲートなのかもしれない、とふと思った。 建物の大きさに圧倒されて一瞬気づかないが、この写真の主役は、たぶん中央上部にある「RESTRANT」なのであろう。そしてそれをさらに限定すれば、レストランの門前に輝く小さな光である。 その光に照らされているのは何であろうか。確かに縦長の何かがそこには存在している。人間か、人形のようにも見えるし店の看板かもしれないが………。私なりの見解で想像すると、それは、クリスマスツリーであってほしい。 季節はもちろん真冬で、寒風の空上にそびえる橋の上にあるレストラン。店は明るくライトアップされて、明るい店内では、人々が幸せに食事を楽しんでいる事が望ましい。 97c西山剛 普段見慣れているモノの印象が、普段とは違うシチュエーションによってその印象が180度変わってくることがある。そんなことがこの一枚の絵から起こっている。この絵に描かれている「パリのエッフェル塔」は、テレビや雑誌において、その大半が、その建造物の全体像を写し出している。そのような訳であるから、それに対しての印象はたった一つに絞られてくると私は思う。 この絵は「パリのエッフェル塔」でありながら、そのシチュエーションを通常の形式とは変えている。そのモノの真下から見た景色が描かれている。この絵から入口や骨組みの構造、またそれが通常写し出される。それでは、知り得ないという事がわかる。それらの事から「パリのエッフェル塔」という建造物の新たな一面が印象としてつけ加えられると思う。 97c1108 小田敬互 大きな塔の斜め下から見上げる景色。その隙間から近未来的な建築物の偉容をかすかにのぞかせている。ここからだとその建物にたどりつくのに不可能に近いだろう。どうしてもたどり着きたいのなら強引に鉄柱をつたってゆくしかない。あの建物は現実にはなく未来、そして華のある未来である。もし自分の人生に幸あるものにするのなれば、是が非でもその未来にたどりつかねばならない。いや、たどりつきたい。そこにはい上がるまでの過程には苦しみ、そして先の見えないことにとまどいに多くつきまとわれるであろう。 まるで今の自分の置かれた立場、そして人生を象徴しているかのように思えた。
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