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・ジョニ・キャッシュはカントリーの大御所で、2003年に亡くなっている。ディランと一緒に「北国の少女」を歌ったのが、彼を知るきっかけだったが、その後も特に興味を持つことはなかった。ホアキン・フェニックスが主演した『ウォーク・ザ・ライン』はキャッシュの半生を描いた映画で、面白かったが、それでも,キャッシュのCDを買う気にはならなかった。同じカントリー・ミュージシャンのウィリー・ネルソンのCDを買ったのも4年ほど前で、僕がカントリーミュージックにいかに無関心だったかが、今さらわかるのである。 ・フォーク・ソングと重なるジャンルなのになぜなのか。単調で明るいサウンドと、保守的で右翼的な歌が多いという印象が強かったのかもしれない。対照的に、ディランに代表されるように、フォーク・ソングは政治や社会を批判するミュージシャンがリードする音楽ジャンルだった。しかし、実際には、二つの音楽ジャンルは、それほど単純に二分できないものだったようだ。実際、ジョニ・キャッシュは民主党支持で、反逆のイメージがあって、刑務所でコンサートをやったりもしている。 ![]() ・”IV"は2002年に発売され、”Hurt" はプロモーション・ビデオとして2003年度のMTV Video Music Awardsで最優秀撮影賞を獲得している。ナイン・インチ・ネイルズのカヴァー曲だが、自身の人生を切々と振りかえるような内容で、キャッシュの墓碑銘だとも言われているようだ。 ![]() ・"IV" にはサイモンとガーファンクルの「明日に架ける橋」やビートルズの「イン・マイ・ライフ」、スティングの「アイ・ハング・マイ・ヘッド」が入っているし、"V" にはスプリングスティーンの「ファーザー・オン・アップ・ザ・ロード」が収められている。他のアルバムにはU2やレナード・コーエン、トム・ウェイツ、トム・ペティ、そしてシェリル・クロウの曲を歌っている。ジャンルを超えて彼が気に入った歌を、プライベートな場で歌う。その歌声に聞き惚れてしまった。 |
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