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![]() ・それらはどこも、見慣れた森や山とは違って、新鮮な驚きに満ちあふれていた。森の主役は南極ブナという大木だが、ブナとは名ばかりで、幹も葉も日本のブナとはまったく違うもので、落葉しない常緑樹だった。その幹には苔や地衣がびっしりついて、鬱蒼とした森をさらに神秘的にしていた。 ・ところが、それらの場所に行くまでの景色は、羊や牛、それに鹿が草を食む牧場が延々と続くもので、その大半は、もともとは原生林の森だったはずのところだったのである。そのはげ山や草地は、僕には人間が作った砂漠のように見えてしまった。 |
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![]() ・その害獣だが、今回訪ねた若い日本人のカップルは、氷河のガイドなどをしながら、野生化した動物を狩猟し、川に網を仕掛けて魚を捕り、野菜は庭で栽培して生活をしていた。そのヒマラヤター(牛科)やヴェニソン(鹿)、それに海の幸であるカレイや鮭をごちそうになった。捕獲した動物はその場で捌いて持ち帰り、冷凍してタンパク源にする。毛皮はなめして、リビングの敷物になっていた。人口密度がきわめて少ないところだからこそできる生活で、その野性味溢れる生活は衝撃的だった。若い日本人のなかにも、国の外に出てびっくりするような生き方をしている人がいることを改めて認識した旅だった。 |
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