<教育方法コメント(2)>
第二回:テーマ【『教師誕生』】
(1)《「よし!やってやろう!」と思った人》
・「生徒に教えるという先生の立場から見れば、小学生だろうと中学生だろうと苦労するという点ではまったく変わらないということがあらためて知ることができた。ビデオを見て自分もこういった荒波の中でやってみたいと思いました。」(Kさん)
・「忙しく、頭が割れそうになるくらい考え、悩み、泣き、叱り、笑う、そんな人間だからこそできることを生徒達と一緒になって交わすことがうらやましく、素晴らしいことだと思った。」(Hさん)
・「私は先生というものの理想だけを思いえがいていたように思う。実際、現場に入ると、そううまくはいかないようです。自分の好きな事できる事だけをすればいいというものではない。できない事も克服し、嫌な事も多々するようになるであろう。しかし、その道に進む事をいやになったかというとそうではない。むしろ、やる気が増した方だ。教育というものに答えはないのだから、教師も成長していけるのではないかなと感じた。」(Sさん)
・「ビデオを見て、教師と生徒、児童ではなく、人間と人間との関わりだと思った。思い通りにはなかなかいかないものだというのも感じた。…自分も早く同じ現場にたちたいと強く思った。」(Sさん)
・「教師誕生を見て、改めて人と接することの難しさを認識した。自分が伝えたいことが上手く伝わらない、相手の考えていることが理解できない。そんな事が日常茶飯事に行われる教育現場で働く事はとてもつらく厳しいと思った。だからこそ、やりがいのある仕事だと思うし、頑張ってやってみようという気になった。」(Oさん)
・「すごくうらやましく思いました。悩みあり、涙あり、感動あり、怒りありと…、大変だろうけど、その分、やりがいがあるものだと思います。早く教育実習をやってみたいという想いが強くこみあげてきました。教師というものは教えることだけでなく、それ以上に与えられるものも多いものだと改めて感じることができました。」(Cさん)
・「ビデオを見て、生徒たちとかかわっていくことの難しさや、それをのりこえることのうれしさを実感することができたし、教壇にたちたいという意識も高まってきた。」(Iさん)
(2)《『教師誕生』の先生たちへのエール》
・「小学校の先生が生徒たちの一瞬の心の表れを感じとって生徒たちと接しているのを見て素晴らしいと思った。」(Iさん)
・「中学校の男の先生が1度の失敗の後、2度目には生徒に任せて席替えをしている場面で、生徒を信頼しているからこういうことができるのではないかと思いました。生徒を信用すると、信用された生徒達は、信頼に応えようとすると思います。生徒を信頼することの大切さのわかる先生になりたいです。」(Iさん)
(3)《こういう教師にわたしはなりたい》
・「自分は教師向きの人間ではないのかもしれないと思う。なぜなら勉強を教えることよりも学校でどうやって楽しんでもらおうと考えるからだ。一番いいことだと思うことは友人関係を広げ、いろいろな人と意見を交換し合い、深くいろいろなことを考えていってもらいたいと思っている。」(CHAさん)
・「ビデオを見て、自分がどうして教師になりたいかを思い出した。私は生徒一人一人の生徒の存在を認めてあげたかったから教師になりたいと思った。自分自身、自分の存在に不安を感じていたから。」(カーバンクルさん)
・「僕が教師になったら、なるべく『こうしなさい、ああしなさい』という言葉を使いたくない。それと大声で怒鳴ることはしたくない。今日のビデオを見て、教師は大変だけど、一番やってみたい仕事だと改めて感じました。でも、大声を出さないで生徒を指導する事は大声で抑えつけるより難しいんだろうなと思いました。」(Wさん)
・「TV時代の生徒にニュースの如く情報を流すのではなく、考えさせる本のようになりたいです。」(Kさん)
(4)《自分をビデオの教師に重ねながら》
・「ビデオを見ながら、自分がビデオの中の先生の立場になったら、どうするだろうと想いながら見ていた。一番思った事は、生徒達がさわいでいるとき、どのようにしたら、静かにさせることができるかということだった。授業参観の時の先生は『シー』とゆびを口にあてていたが、もし自分だったら『うるさい』と机をたたくかもしれないと思った。自分にはもう少し忍耐力が必要かもしれない。」(Oさん)
・「今日のビデオを見ていて、何度も自分が同じ立場なら相手が生徒とうことを忘れて、手を上げているだろうと思うことが多くありました。自分でも生徒を権力で抑えることの無意味なことは十分理解しているはずなのに、そう感じてしまうのはさみしいことだと思いました。自分もいつかは待てる先生になれることを信じて、授業でがんばっていきたいと思いました。」(Sさん)
・「自分は今3年で、教育実習を来年にひかえているので、今日のビデオに登場した先生たちの気持ちが自分のことのように感じました。つい数年前までは実習とか新米の先生のことなんか、“大変だな”くらいにしか思わなかったのに不思議なものです。」(Nさん)
(5) 担当者のコメント
「教師のしごとの大変さを覚悟した上で、だからこそやってみたいという声の多さに、ものすごく励まされる思いです。考えてみれば、人が育つということはものすごく不思議なことです。わからないことばかり。しかし、今までわたしたち人類は、生き延びてきたのです。人が育ち、学ぶことはコントロールできない。それでも、すべてをコントロールできなくても、確かに世代は継承され続けてきた。この事実を見据えることが大切だと思います。教育はなぜ成立するのかと抽象的に考えると、必ず行き詰まる。しかし、この場にともにいて、わたしとあなたが学び合っている。その確かな事実に賭けたいと思うのです。」
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