『アルケミスト』

パウロ・コエーリョ(地湧社、1994)



 南米ブラジルの作家パウロ・コエーリョの作品。アルケミストとは、錬金術師のこと。羊飼いの少年サンチャゴが夢の啓示にしたがって、長い旅路に赴き、そこで人生の秘密を明らかにしていく物語である。「『僕の心は、傷つくのを恐れています』ある晩、月のない空を眺めている時、少年は錬金術師(アルケミスト)に言った。『傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ』」という一節が印象深い。