『4U』
山田詠美(幻冬社、1997)
山田詠美という人は、私の好きな作家の1人である。『4U』の帯には、「人生(ライフ)に対して、いかに尻軽でいられるか。必要な香辛料は、何と何?」とある。「あらゆる人間に対して尻軽でい続けるのは、これはこれで、また技術を要するものなのだよ。心と体と脳みその交錯するクロスロードに、いつも立っていなくてはならないのだから。目に見えない方位磁石を手にして困惑し続ける覚悟が必要なのだから。」山田詠美は颯爽と軽やかにこの時代を生き抜いている。尻軽でい続けるための技術を磨きながら。