<1998年春季リーグ戦・東大野球部の奮闘>


祝!!! 開幕 対早稲田戦、東大8−2で快勝!しかし、その後連敗で惜しくも勝ち点1ならず!

第2週 : 2連敗で、対明治戦90連敗に!

第4週 : 第2戦目、惜しくも法政に逆転負け!

第5週 : 第1戦目、惜しい試合を落とし、慶應に2連敗!

第7週 : 第1戦目、須貝選手の3ラン本塁打で先制するも、惜しくも立教と分ける!

最後は、奮闘空しく、最下位。秋の奮起に期待したい。


 このページは、東京六大学リーグ戦での東大野球部の試合を対象とする試合結果とお勝手なコメント<試合のヤマ場とMVP>のページです。各大学の選手の情報、詳細なスコアや他の試合結果、星取り表などをご覧になりたい方は、野球のリンクのページから「東京大学野球部公式HP」「慶應大学野球部公式HP」「前田さん」「末松さん」「中田さん」のページにお立ち寄り下さい。充実した情報が得られることと思います。




 <試合速報>

 <第1週>(開幕戦)1998/4/11(土)対早稲田1回戦



     
東京 大学
早稲田大学


● 遠藤良平投手 1勝  ○ 鎌田祐哉投手 1敗


 両チームにとって重要な意味をもつ開幕戦。東大は3年生左腕のエース遠藤投手、早稲田は2年生の右腕鎌田投手が先発のマウンドに立った。
 1回表、東大は多田、村野、済木の上位打線が果敢に打ってでたが、それぞれ左飛、中飛、右飛で3者凡退に終わった。その裏、早稲田は先頭中西が中飛のあと、2番寺嶋が二塁手左のセンターに抜けようかというあたりだったが、新人二塁手の村野が好捕、間一髪アウトに仕留め、守備が鍛えられていることがうかがえた。続く、佐藤がセンター前ヒットで出塁、盗塁を決めて、2死2塁のチャンスを迎えたが、4番梅沢が三塁邪飛で、1回の表裏の攻防が終了した。
 続く2回表、東大は萩原四球のあと、1死後に、横山がセンター前ヒットが出たが、1塁ランナー萩原が3塁で刺され、打者走者も2塁でタッチアウト、惜しいチャンスを逃した。その裏は、遠藤が早稲田を3者凡退に退けた。
 3回にも東大にチャンスがめぐってきた。無死から須貝が3塁手の失策で出塁すると、バントで送り、1死2塁。続く、遠藤、多田に期待が集まったが、中飛、セカンドゴロで先制機を逸した。その裏、早稲田も先制のチャンスを迎えた。無死から米村がピッチャーの股間を抜く、センター前ヒットで出塁。バントで送ったのち、1番中西のセンター前タイムリーで先制した。しかし、その後、早稲田の反撃を三振で絶つなど、遠藤のピッチングは今季も健在だった。
 4回には1死後、済木が3塁強襲のヒットで出塁。しかし、次の萩原の初球に盗塁失敗で2死ランナーなし、チャンスがついえたかに見えたが、萩原が右中間を破る2塁打で、2死2塁。しかし、続く仲戸川が3塁邪飛でチェンジ。4回の裏、東大は「野球を知っている」というプレーを見せた。2塁ゴロ失策で出塁したかに見えたランナーを、1塁手がアピールプレーでタッチアウト。走り抜けの際、ラインの内側を通ったということだった。この後、早稲田に2塁打が出たが、後続が打ちとられ、無得点に終わる。このプレーが試合の明暗を分けることとなった。
 5回に早稲田の攻撃を3者凡退に退けた東大は、6回、無死から遠藤、多田の連続ヒットで、大きなチャンスを迎える。石井元早稲田大学監督の予言通り、この回が一つのヤマとなった。ここで早稲田は鎌田投手から村上投手に継投。東大村野はセオリー通り、3塁線にバントを試みたが、大きく弾み、村上投手がダッシュしてすばやく3塁へ送球。しかし、3塁悪送球となり、遠藤が生還し、労せずして東大は同点に追いついた。アウトになっていればファインプレーだったが、この紙一重のプレーが試合の流れを決定づけた。無死2、3塁から続く済木がショートゴロで、東大に暗雲がたちこめたが、4番萩原の打席で、なんとワイルドピッチで、逆転に成功。2塁ランナーも本塁に突入したが、間一髪アウト。儲かったような、損をしたような、6回の攻撃だった。
 遠藤が6回の裏の早稲田の攻撃を3者凡退に退けたことが大きかった。7回表、東大は、2死1塁から遠藤が四球で出塁、2死1、2塁の追加点のチャンスを迎える。ここで期待の多田が、右中間をやぶる走者一掃の3塁打。早稲田は継投策をとったが、続く2年生の村野がセンター前ヒットで続き、この回、3点。大きな追加点だった。
 7回裏の早稲田の攻撃は注目されたが、余裕をもった遠藤がまたも3者凡退に切ってとった。8回表の東大の攻撃中に、誠に残念なことにMXテレビの放映が終わり、このあとの展開を見届けることができなかった。神宮テレホンサービス(03-3236-8000)では、8回を終了して、5対2ということであり、あとは9回の攻防を残すのみとなった。この後、何度電話をしても8回で止まっており、肝を冷やし、さらにようやく終わったとき、「8対・・」ということばが出たときは、過去の法政戦の悪夢を思い出したが、続く「2」ということばで、9回表に東大が3点をとり、試合が長引いていたとようやく理解でき、ほっとしたのである。いや、めでたい、めでたい。



 《お勝手MVP》

 MVP 東京大学:多田克行選手−7回表の攻撃で、2死1、2塁から右中間に2者を生還させる3塁打を打ち、貴重な追加点を挙げ、東大の勝利を確定的なものとした。これまで東大の攻撃では、チャンスでもう一本が出なかっただけに、あの一打は今後の東大旋風につながるクリーン・ヒットだった。

 敢闘賞 早稲田大学:米村洋志選手−センター返しのバッティングで、先制のホームを踏んだ。つなぎ役として、今後の活躍が期待される。

 特別賞 東京大学:遠藤良平投手−相変わらずの見事な投球術が健在で、早稲田打線を翻弄した。堂々たるマウンドさばきは、見ているものに、安心感を与えるに十分だった。内野ゴロ、内野フライ、三振など、内容も申し分なく、MXテレビの解説者岡田忠さんやゲストの元早稲田大学野球部監督石井さんも、遠藤投手の投球について絶賛されていた。頼もしいの一言に尽きる。


<第1試合の結果>


    
立教大学
法政大学×


● 矢野英司投手 1勝  ○ 中田豪投手 1敗



立教は序盤、昨年の覇者法政を相手に中田投手の投打にわたる活躍で互角に渡り合ったが、終盤、法政が地力を発揮し、矢野投手の完封で初戦を飾った。

 (第2戦)1998/4/12(日)対早稲田2回戦


     
早稲田大学13
東京 大学


● 藤井秀悟投手 1勝  ○ 布施健投手 1敗


 東大としては、何ともいいようのない試合だった。先発は氏家投手だと思っていたところ、意表をついて布施投手の先発。序盤、早稲田4番梅沢選手のソロホームランだけに失点をくい止め、好投したが、後手後手の投手交代が試合を台無しにしてしまった。四球、暴投などで試合はズタズタに崩壊した。早稲田は、本調子ではないといわれている藤井投手が貫禄の投球で、東大打線を抑えて、第三戦に持ち込んだ。8回の早稲田の攻撃は圧巻だった。この回、東大は早稲田に七つの四死球を与え、1イニング与四死球の不名誉な東京六大学タイ記録をつくった。
 東大は、第三戦を睨んだ投手起用であったと思われるが、当日、神宮に足を運んだファンのためにも、ナイスゲームをしてほしかった。昨日の締まったプレーが嘘のようだった。記録的な開幕大勝のあと、記録的な大敗が待ち受けていた。明日に期待したい。




 <試合速報>

 (第3戦)1998/4/13(月)対早稲田3回戦



     
東京 大学
早稲田大学×12


● 鎌田祐哉投手 1勝1敗  ○ 遠藤良平投手 1勝1敗


 残念ながら、東大は打撃戦となった第3戦を落とし、早稲田が勝ち点1を獲得した。




 <第2週>(第4戦)1998/4/18(土)対明治1回戦
     
東京大学
明治大学×


● 木塚投手 1勝  ○ 氏家投手 1敗


 対明治戦、88連敗中の東大は、何度も逆転しながらも惜しい試合を競り負けた。東大もよく打ったが、明治打線のコンパクトなスイングがさらにまさった。救援の木塚投手は好火消しで勝利投手となった。東大の救援の氏家投手は不運な失点で負け投手となった。





 (第5戦)1998/4/19(日)対明治2回戦
     
明治大学14
東京大学


● 小笠原投手 1勝  ○ 布施投手 2敗


 東大は完敗で対明治戦90連敗となった。初回にツーランホームランなどで3点を先制した明治は、6回に7点の猛攻を見せるなど、東大につけいる隙を与えなかった。明治の先発小笠原の前に、沈黙した東大打線は、6回に横山のライト前ヒットを手がかりに、押し出しの四球で1点を返したが、この試合の東大の安打はこの1本だけだった。ただ収穫もあり、終盤に登場した梅下投手と好井投手の好投が、今後に期待をつなげた。




 <第4週>(第6戦)1998/5/2(土)対法政1回戦
     
東京大学
法政大学×18


● 矢野投手 4勝  ○ 遠藤投手 1勝2敗


 コメントのしようがない試合で、法政が東大に圧勝した。2回裏、東大は3塁手の度重なる失策などで好投の遠藤投手の足を引っ張り、6失点。この回で大勢は決した。法政はこのあとも攻撃の手を緩めず、何と18得点を重ねた。矢野投手は貫禄の投球で4連勝。法政は盤石の実力を見せつけた。





 (第7戦)1998/5/3(日)対法政2回戦
     
法政大学
東京大学


● 前嶋投手 2勝  ○ 遠藤投手 1勝3敗


 東大は法政に逆転負けで、惜しい試合を落とした。法政先発の福山投手の乱調につけ込み、2回裏に、遠藤投手のライトオーバーの2塁打、多田選手のレフト前ヒット、済木選手のセンター前ヒットと、三つのタイムリーで、3対1と逆転した東大は、遠藤投手の好投で、試合を優勢に進めた。しかし、先日に続く内野の失策などで同点に追いつかれ、最後は力尽きた。法政の救援の前嶋投手は見事な投球で、東大の反撃を完璧に抑えた。東大は、1回裏の1死2、3塁、7回裏の1死1、2塁のチャンスをつぶしたのが痛かった。

 一方、立教大学は早稲田大学を5対0で下し、勝ち点を2に伸ばした。久々の立教旋風で、俄然優勝争いは面白くなってきた。がんばれ!!立教大学!





 (第8戦)1998/5/9(土)対慶應1回戦


     
慶應大学
東京大学


● 山本投手 2勝3敗  ○ 遠藤投手 1勝4敗


 東大は、勝てる試合を落として、遠藤投手の好投を生かすことができなかった。2回に仲戸川選手の本塁打で先制した東大は、6回にも2死3塁から須貝選手のセンター前タイムリーで追加点を奪い、7回表の慶應の攻撃を0点に抑えれば、勝てるというムードだった。7回表、慶應は2死3塁で期待の新人喜多選手。喜多選手の打球は、二遊間に鋭く飛んだ。これをショートの須貝選手がダイビングで好捕、ところがショートバウンドの送球を1塁手が捕れず、1点を奪われた。これに気落ちした遠藤投手は、続く高安選手に長打を浴び、同点に追いつかれた。9回表、犠飛で勝ち越された東大は、反撃ののろしも上がらず、惜敗。記録には出ないが、守備の差が明暗を分けた。





 (第9戦)1998/5/10(日)対慶應2回戦


     
東京大学
慶應大学×10


● 平井投手 1勝  ○ 布施投手 3敗


 東大は、今シーズンあまり調子の良くない慶應にも完敗し、勝ち点0で残りは今シーズン好調の立教戦を残すだけとなった。守備を立て直して、立教戦に臨んでほしい。




 (第10戦)1998/5/23(土)対立教1回戦


    
立教大学
東京大学


プロ野球開催日で規定により9回引き分け



最終カードに入り、東京大学は最下位脱出をかけて、立教大学と対戦。序盤から押し気味に試合を進めた。予想通り、東大遠藤、立教矢島の両エースが先発したが、矢島投手の出来が思いのほか悪かった。そして、3回裏、東大は、1死1、2塁で、打撃好調の3番須貝選手が右中間スタンドに完璧な当たりの3ランホームランをたたき込み、先制した。この回、東大は連打で、1死2、3塁のチャンスを得たが、後続が断たれ、逸機してしまった。これが響いた。続く4回表、立教は、反撃に出て、連打で1点を返し、2死2、3塁から3塁線の見送ればファールになったと思われるボテボテのゴロを3塁手がとってしまい、内野安打で2点目を失うと、続くセーフティーバントの処理をミスし、一挙に2点をとられ、逆転を許してしまった。しかし、5回裏には、東大が、2塁打の酒井選手を須貝選手の適時打で返し、同点に追いついた。立教は、救援の上野投手が力投を見せ、東大の反撃を断った。一方の東大は、遠藤投手が粘り強い投球で9回を投げ抜き、どちらも譲らなかった。こうして第一戦は、引き分けとなったが、遠藤投手の出来、攻撃の内容からすれば、東大はぜひとも勝ちたい試合であり、残念な引き分けであったと思われる。しかし、まだまだ最下位脱出のチャンスは残されており、ぜひとも明日の第二戦で、遠藤投手に頼ることなく、試合を組み立てて、第三戦でもう一度、遠藤投手の好投に期待したい。

 <第一試合の結果> 優勝がかかった法政大学対明治大学の第一試合は、接戦の末、明治大学が3対2で法政大学を下し、優勝に王手をかけた。





 (第11戦)1998/5/24(日)対立教2回戦


    
東京大学
立教大学×


 ● 矢島投手 5勝1敗  ○ 布施投手 4敗



立教大学は、先日の先発矢島投手が連投を完投で飾り、勝ち点3へあと1勝とした。


 <第二試合の結果> 先日の試合で優勝に王手をかけた明治大学が、6対2で法政大学を下し、勝ち点5の完全優勝を達成した。明治の優勝は3期ぶり30度目。




 (第12戦)1998/5/25(日)対立教1回戦


    
立教大学
東京大学


 ● 上野投手 3勝1敗  ○ 遠藤投手 1勝5敗



遠藤投手の力投に打線が応えることができず、東大は1勝10敗1分の勝ち点0で春季リーグ戦、全日程を終えた。一方、立教は、勝ち点を3に伸ばし、2位が確定。矢島投手が5勝、上野投手が3勝と、2投手で8勝の大健闘だった。東大は守備の乱れで、遠藤投手が好投した勝てる試合をいくつも落としてしまった。夏場に課題の守備を鍛え直して、秋季リーグ戦に臨みたい。それともう一つ、氏家投手の復調が待ち望まれる。




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