2015 年度2期身体表現ワークショップ(大榎) | ||||
音 と遊ぶ | ||||
2014年度は「ライブを作る」ワークショップを実施した。今回も,同じく音をあつかう内容だが,異なるコンセプトでワークショップを計画した。
「音と遊ぶ」は,手作り「楽器」を制作し,その「演奏」を披露する。 楽器はからだを拡張するメディアである。ただ,拡張とは,単純に同質なものが大きくなったり広がったりすることではない。例えば,流行りのロボッ ト技術では,特定の装置を身に着けると,自らの体重を超える物体も,軽々と持ち上げることが可能となる。この場合,ロボットを装着する前と後のか らだ(人格)が同じではないことは,容易に想像できるだろう。 こうした観点からすると,からだというメディアを特定の楽器で拡張すれば,その都度,異なるからだが立ち現れると考えられる。「音と遊ぶ」は,単 に,流暢な楽器演奏が目的ではなく,むしろ,さまざまな手作り楽器と戯れることで,異なるモードのからだを創り出し,体験してみようとする試み だ。 だから,特定の楽器に習熟することが目標ではない。音(楽)好きに限らず,一般的な楽器の演奏ができない,あるいは,音痴であると自認するものの 参加を歓迎する。 さらに,楽器となる素材を音にして響かせることは,同時に,各素材にまつわる意味,政治・経済・文化を知り,それらを変換する行為となる。だか ら,このワークショップは,エンターテイメントではなく,知ることを楽しみ,響かせ合う表現行為でもある。 なお,このワークショップは,複数のゲスト講師=音と戯れる達人たちによって展開する。講師ごとに,違った楽器に挑戦することになるだろう。 |
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講 師紹介 | ||||
ヴィデオアーティスト,芸術家,文化人類学者,大学教員,ドラムアーティスト,アクティヴィスト,反原発首都圏連合のメンバーとして首相官邸で総 理と会見した11人の中のひとり....。例えば,下記のサイトを見れば,その多様な姿の一部を垣間見ることができるだろう。 イノレコモンズのふた。 http://illcomm.exblog.jp/ 小田マサノリ/イルコモンズ https://illcommonz.wordpress.com/ exillcommonz (YouTube) https://www.youtube.com/user/exillcommonz イルコモンズ・ドラムレクチャー http://illcomm.exblog.jp/21260453 反原連vs野田総理(ノーカット版) https://youtu.be/ZQzmiWP1ADo 今回の身体表現ワークショップに寄せたメッセージをイルコモンズ氏から頂いたので,下記に引用する。 (以下,イルコモンズ氏からのメールを引用) ------------------- 「音と遊ぶ」には,「楽器」が必要ですから,自作楽器のワークショップをやることにします。 台所用品やペール缶をつかったドラムやパーカッション類はもちろん,塩ビ管を利用したディジュリドゥやバラフォン,ストローリードをつかった管楽 器のほか,アフリカ式の親指ピアノやサーキットベンディングした電子楽器まで,受講者の興味と希望にあわせて,そのつくりかたと演奏方法を指導し ます。 最終回は,学生が自作した楽器のプレゼンと,全員での合奏ができるといいですね。 これは,たのしみになってきました。... [小倉利丸](4回を担当予定) 現代資本主義論,情報資本主義論を専門とする経済学者にしてノイズミュージシャン,アクティヴィスト。アートに関する著作,翻訳も多数。ピープル ズ・プラン研究所共同代表。 著書に『アシッド・キャピタリズム』,『カルチャー・クラッシュ 制度の壁に挑む文化のアクティビスト』,『監視社会とプライバシー』,翻訳にア ントニオ・ネグリ『転覆の政治学―21世紀へ向けての宣言』など他多数。昨年は,ストリート・グラフティの天才,覆面芸術家として知られるバンク シーの伝記本?を共同で翻訳した。 no_more_capitalism(ブログ) http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/ 大浦作品を鑑賞する市民の会 http://www.alt-movements.org/art_censorship/oura/atomicsunshine_censorship/Welcome.html BANKSY'S BRISTOL:HOME SWEET HOME(アマゾン) http://www.amazon.co.jp/dp/4861823536 [大谷安宏](3回を担当予定) 作曲家,ギタープレイヤー,メディアアーティスト。音楽と電子工学の技術を駆使し,コンピュータを使った即興演奏や,音と映像が相互に作用するシ ステムなどを発表する。また,国内外でパフォーマンスやサウンド・インスタレーションの活動も多数。さらに,反著作権の音楽活動にも造詣が深い。 ロックフェラー財団日米芸術交流プログラム助成アーティスト。日本電子音楽協会会員。サウンドを中心としたマルチメディアのためのプログラミング 言語「MAX」の解説書を執筆している。現在は,コミュニケーション学部で「メディア制作ワークショップ」などを担当中である。 大谷安宏 http://www.yasuhiro-otani.com/ はじめてのMax/MSP/Jitter http://www.amazon.co.jp/dp/4861006287 |
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