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![]() ・青木選手はヤクルト・スワローズに8年在籍して1284本の安打を放ち、0.329の打率を残しましたが、メジャーリーグでは5年ちょっとで720本、3割には届いていません。決して悪くはないのですが、イチローや松井ほどの派手さがありませんから、あまり注目されてこなかったと思います。試合が中継されることも少なかったのですが、僕はずっと気になっていました。 ・メジャー・リーグにおける日本人選手の評価は圧倒的に投手の方が高いです。今年在籍しているのも、投手は上原、岩熊、ダルビッシュ、田中、田沢、前田と6人いますが、野手ではイチローと2人だけです。メジャー在籍17年目で、すでに3000本を越えているイチローは別格ですが、十分に活躍したと言えるのは松井秀喜選手ぐらいで、まあまあ通用したのは松井稼頭央、岩村明憲、井口資仁、福留孝介、田口壮、そして城島健司選手ぐらいです。それに比べて投手では、野茂英雄を初めとして、黒田博樹、石井一久、伊良部秀輝、大家友和、岡島秀樹、佐々木主浩、長谷川滋利、吉井理人、そして松坂大輔選手などが活躍しました。 ・青木はパワー・ヒッターではありません。ヒットを量産できるわけでも.肩が強いわけでもありませんし。足も図抜けて早いというほどでもありません。ですから最初にメジャーと契約した時にも、ミルウォーキー・ブリュワーズは実力を調べるためのテストを行いました。レギュラーのポジションが確約されていたわけではありませんでしたが、彼はブリュワーズで外野の定位置を確保して、トップ・バッターとして活躍しました。しかし、ブリュワーズは青木をカンザスシティ・ロイヤルズにトレードしてしまいました。 ・青木が所属した年にロイヤルズはアメリカン・リーグの勝者になりました。青木は途中故障したり、若手の台頭もあって出場機会が減りましたが、優勝を争う9月に4割近い打率を残し、プレイオフでも大活躍でした。しかしワールドシリーズのジャイアンツ戦ではわずか1安打で、チームも3勝4敗でチャンピオンにはなれませんでした。チームが契約延長せずにフリー・エージェントになった青木は、そのジャイアンツと契約しました。 ・ジャイアンツは2010年から1年おきにワールドチャンピオンに3度もなった強豪チームでした。外野のポジションに空きがあったわけではなかったのですが、彼は頑張って、レフトの位置を奪取し、オールスターにも選ばれるのではという活躍をしました。ところが相次ぐ死球禍で、シーズンの後半を棒に振りました。脳震盪の後遺症を不安視したジャイアンツが契約しなかったのでシアトル・マリナーズに移りました。 ・マリナーズでは不振からマイナー落ちを何度も経験しました。後半には調子を戻したのですが、また1年でヒューストン・アストロズに移籍ということになりました。アストロズには若くて有能な選手が大勢います。チームも好調で首位を独走しています。ですから青木選手は準レギュラーという位置づけで、左ピッチャーの時には試合に出ない状態が続いています。出たり出なかったりですから、今ひとつ調子も上がらないようです。2000本安打は彼にとっては大きな区切りになる数字でしょう。しかし、これで終わりというわけではありません。例年、後半戦の方が成績がいいですから、定位置を確保し、9番ではなく1番か2番に格上げされ、優勝してワールドチャンピオンになれるよう応援したいと思っています。 ・青木選手は頑張り屋です。軽くあしらわれても、どん底に落ちても、跳ね返して這い上がってきました。それは高校生以来の彼の野球人生に一貫したことだったようです。現在35歳ですから、まだまだ何年もメジャーで活躍して欲しいと思いました。 p.s. ・大きく点差の開いた負け試合に青木選手が投手としてマウンドに上がりました。大差で負けているゲームで、投手は使いたくなかった監督の判断でした。この日はNHKが中継をしていて、僕はその場面のちょっと前にテレビをつけたところでした。今日もベンチかと思っていたら、彼がマウンドに走って行って投球練習を始めたのです。思わず目を疑いました。しかも全然ストライクが入らず死球の連続で、どうなることかと思いましたが、失点2で何とか1イニングを投げきりました。ぴていてどきどきの瞬間でした。 |
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