ワールドカップやオリンピック、それにメジャーリーグやセリエAなど、関心をもたれるスポーツの多様さは驚くほどですが、そういう状況についての分析は多くはありません。しかし、スポーツについて考えることがおもしろい時代になっていることはまちがいないでしょう。この本は、そんな時代に応えた、スポーツと文化と社会について考えるための入門書です。
ぼくはここでも「スポーツとメディア」という題目を与えられて、MLBを中心に、新聞やラジオ、そしてテレビの関係を調べてみました。で、アメリカのプロスポーツの発展や変容がラジオとテレビ抜きには考えられないことを再確認したわけです。
もちろん、この本によってあらためて知ることや考えることはほかにもたくさんあるはずです。しかし、詳しく説明するスペースはありませんから、目次を載せておきます。書き手は体育学と社会学を専門にする人たちですが、難しい学術書ではありませんから、おもしろく読めるのではないでしょうか。
序論:文化としてのスポーツ(井上俊)
I:スポーツ文化のとらえ方
現代スポーツの社会性(内田隆三) /ナショナリズムとスポーツ(吉見俊哉)
スポーツとメディア(渡辺潤) /スポーツと暴力(池井望)
スポーツする身体とドーピング(亀山佳明)
II:現代のスポーツ文化
スポーツとジェンダー(伊藤公雄) /スポーツ・ヒロイン(河原和枝)
スポーツファンの文化(杉本厚夫) /スポーツと賭(小椋博)
体育とスポーツ(松田恵示)
III:スポーツと現代社会
スポーツのグローバリゼーション(平井肇) /文化のなかのスポーツ(黄順姫)
ポストモダンのスポーツ(L.トンプソン) /スポーツと開発・環境問題
スポーツと福祉社会(藤田紀昭)
IV:スポーツ文化研究の方法と成果
理論的アプローチ(菊幸一)
実証的アプローチ(清水諭)
なお、もっと詳しい紹介や質問、あるいは感想については、直接出版者にお訪ねください。→世界思想社 |