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ゼミ合宿について

8月30日から9月2日まで、追手門学院大学で担当している4年生のゼミ合宿をした。実は3月に三田で合宿をしたときに、夏は河口湖でやろうという話になって、青木ヶ原の樹海に行くというスケジュールまでできていたのだ。もちろん、ゼミ合宿とはいっても、勉強をする予定はほとんどなかった。
参加者は10名、ゼミ生の3分の2で、一人を除いて、「青春18切符」でやってきた。所要時間は10時間ほどで朝出て夕方到着という長旅だが、別行動の一人はバイクでやってきた。前日の夜に出発して、朝到着。彼は、夜にはステラシアターという野外劇場での24時間ライブに行きたいと言って、そのまま寝てしまった。
  • 第1日目のメニューはカレーとサラダ、朝から焚き火で僕がじっくり煮込んでおいたものである。そのおいしいカレーと丸太小屋、それに焚き火にみんな興奮気味だったが、11時消灯ですぐに静かになった。
  • 二日目は朝7時に起こして、9時には、計画通り青木ヶ原に出発、当然歩きだが、僕の家からは10㎞以上ある。たっぷり3時間はかかるはずだが、みんなあまり気にしていない。で、歩き出したのだが、空は真っ青、風はさわやか、富士山はくっきり、河口湖はすっきりで足取りは軽かった。奧河口湖から西湖、そして青木ヶ原。腹が減って、足もくたびれだしたが、洞窟の涼しさや、樹海の神秘には満足、蔓でのブランコ。しかし帰りはバスということで一致した。 ところが、直接戻れるバスはないし、連絡も悪いから、途中から河口湖にかかる大橋などを渡って、またたっぷりと歩かねばならなかった。シーズンの8月でもバスはせいぜい1時間に1本、しかも料金は信じられないほど高い。みんな都会とはちがうことをつくづくと思い知らされた。 その晩の食事は焼きそばとお好み焼きと宝刀(山梨名物)。炭水化物ばかりだが、歩き疲れの回復には何よりで、協力して作った味はなかなかだった。
  • 3日目は、授業にほとんど出てきていない中谷君の「タバコ論」の報告をやってから自由行動。ボートに乗ったり、ガラス工芸をやったり。僕は休養日にしたかったが買い物やら何やらで、ほとんどゆっくりはできなかった。何しろ今日はバーベキュウ、セッティングも大変なのだが、学生たちはそんなことにはお構いなしなのである。夕方から雲行きが怪しくなって、何度も雨がぱらぱらと降り出す。
    網焼きに串焼き、鉄板焼き、雨空を眺めながらの花火大会。カブトムシの闖入、焚き火の前でのビールやワイン片手の歓談、合宿最後の夜ということもあって、誰もが終わらせたくない雰囲気。もちろん僕を除いてはの話だが......。男女の比率は6:4。しかし、恋愛談義になるとシビアなのは明らかに女子学生たちで、男の子たちは唖然として、こそこそと「すげーな」とか「そんなこと考えたことないよな」と確認しあっている。
    帰宅の朝。前夜遅かったにもかかわらず、6時半になるとぼちぼちと起きてくる。「明日は起こさないぞ」と僕がおどしてさっさと寝てしまったからだが、また「青春18」で今日中に帰らなければならないのだ。で8時過ぎのバス、バイク青年も続けて出発。僕はいったん東京にバイクで行き、一晩泊まって新宿から駒ヶ根行きのバスに乗らなければならない。実は酷使のせいか、10万㎞をこえたレガシーが故障して、引き取って京都まで帰らなければならないのだ。車は便利なものだが、いったん動かなくなると不便なことは想像を絶するし、高速道路での故障は恐ろしい限りだ。楽しい夏休みだったが、疲れもまた限界で、車の次は自分の身体じゃないかと心配になってしまった。


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