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●最近見たテレビ |
世界を旅する仕方 |
10月16日 |
・飛行機嫌いを乗り越えて、去年から今年にかけて4回も海外に出かけたせいか、旅番組を捜してテレビを見るようになった。もちろんその種の番組は以前から好きだったが、最近は特にその傾向が強い。出かけた土地が映されればまた行きたい気になるし、まだのところも行ってみたくなる。しかし、名所旧跡といった有名なところにはあまり関心はない。ゲストが出てクイズなんて番組も見る気はしない。街の様子や人びとの生活模様などが身近に感じられること。テーマが歴史や自然なら、できるだけ具体的で掘り下げたものを。そんなエンターテイメントなしの基準で探しても、興味深い番組が結構ある。![]() ・番組のサイトを見ると2005年3月のベネチアから始まって、世界中にでかけているようだ。スペインはセビリヤのほかにグラナダとトレドはみたがバルセロナはみていない。アイルランドのダブリンは街の中心を流れるリフィ川沿いを歩いていて、何度かうろうろしたぼくにはとてもよくわかった。出かけたところ、まだ行ってないところ、見た番組、みていない番組にかかわらず、このサイトは街の地図に歩いた行程をしめし、出会った人を記録し、街についての説明も付記している。下手な旅行案内よりはずっと役に立っておもしろい。できれば、古いものも再放送してもらいたいのだが、放送時間が夜遅くだったり、昼時だったりするから、見逃してしまうことも多い。 ![]() ・テレビ番組はどんなに短時間のものでも、あるいは脚本のない行き当たりばったりのようなものでも、かなりの準備と、収録のための時間を使う。実際に取材を受けたり、収録風景を見物していると、そのことにあきれてしまうほどだが、この番組も事前の準備は毎回周到なようだ。番組は1時間足らずだが、収録時間は早朝から日没まで行われている。それこそ何日も街を歩き続けて一回の番組が作り上げられる。何より、食事をしたりショッピングをしたりといった、他の番組が中心にするイベントがまったくないのがいい。 ・旅の魅力はもう一つ、交通機関にある。飛行機は狭い座席に拘束されてけっして楽しいものではないが、行った先で乗る鉄道やバスは十分に目的のひとつになる。去年出かけたイギリスとアイルランドでは鉄道で移動したが、そのきっかけになったのは『欧州鉄道の旅』だった。これもガイドはいず、車窓の風景や車中の様子、それに途中下車して歩く街の様子が番組の内容になっている。もう何年も再放送が続いて、みたものばかりになっていたが、最近あたらしいものにかわりはじめた。だから、やっぱり番組をみつけると、1時間、一緒に鉄道に乗った気分で旅行を楽しむことにしている。 ・とはいえ、しばらくは海外旅行は楽しめそうにない。なかなか時間がとれないし、出かけるとなればかなりの費用がいる。次はいつどこに行けるか、行きたいか。予定は立たないし、行きたいところは増えるしで、みながらついついため息をついてしまう。けれどもまた、どうせ行くなら行き先の歴史などをもっと勉強してなどとも思う。世界中には知らないところがたくさんあって、その一つ一つに知らない歴史があり、現状があり、大勢の人が暮らしている。 ・この夏休みはどこにも出かけなかったが、そのかわりにGoogleearthという世界地図、というより衛星写真をみつけて、世界中を飛び回ってしまった。実際出かけた場所で泊まったホテルまでわかってしまうほど詳細の地図が世界中のどこでも見つけられる。すごいものが出てきたと感心したり、驚いたりしたが、一軒の家が特定できるほど詳細な世界地図(写真)というのは、管理社会の極限ではないかとも思ったりもした。アメリカではいま現在飛んでいる飛行機が表示されたりもするから、テロに使おうと思えばかなり危険な情報なのではと心配になるほどである。大都市のおもな建物が3Dで作られていて、つぎつぎ新しいものが追加されてもいる。飛行機だけでなく、鉄道が実際に走ったりするのも近いうちには実現するのかもしれない。 ・P.S.この文章をアップしたら、すぐにトルコで日本人観光客を乗せたバスが横転して死傷者が出たというニュースが入ってきた。トルコは行ってみたい国で、行けば鉄道やバスも利用するはずだから、人ごとではない気がした。スペインでは実際、JALバスに乗って、団体客と一緒にあるファンブラ宮殿などをみてまわった。乗り換えの心配もなしに数日間、名所をまわってもらえたから、その便利さは実感済みである。日本人ガイドの説明もあって、旅程の一部にこれを挟むスケジュールはなかなかいいと感じていた。 ・JRの鉄道乗りつくしから最近では世界に出かけている関口知宏がトルコからギリシャまでの旅行を放送したのもこの月曜日だった。トルコへの観光客がまた増えるな、と感じただけに、この事故は、危険なことが旅にはつきものであることを改めて実感させた。 |
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