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2022年6月13日

エンゼルスと大谷の浮き沈み




今年のエンジェルスは出だしから快調だった。昨年ほどというわけには行かないが、大谷もそれなりに投げ、また打った。それが5月の後半からおかしくなり14連敗ということになった。それまで機能していた勝ちパターンが崩れ、勝っていても逆転される、点を取ればそれ以上に取られる、投手が好投している時は点が取れないというゲームが続いた。何しろ連敗中に1点差で負けた試合が半分もあったのである。

見ていてがっかりしたり、腹を立てたりの連続で、だんだん見る気もなくなったが、選手たちの焦りやいらだちは大変なものだっただろうと思う。もちろん、その理由には主力の故障やスランプがあった。去年もほとんど休んだレンドーンや、絶好調だったウォードが故障し、トラウトは30打席もヒットが出ないほど落ち込んだ。大谷も打ち込まれて防御率を1点以上落とし、ホームランもさっぱりという状態だった。でマドン監督の解任である。

実績のある名監督も手の施しようがないといった様子だったが、僕は連敗の責任のひとつに監督の采配、とりわけ投手交代があったと思った。勝ちパターンが崩れても、打たれた投手をくり返し勝ちゲームで使って失敗した。好投している若手の先発投手をピンチになったからといってすぐ交代させた。その度に、「何で?」と呟いた。もっともこのような投手起用は去年も感じていて、ダグアウトから出て行く時に、「誰か後ろからおさえろよ!」と言いたくなったことが何度もあった。

大谷選手が去年ほどホームランを撃っていないことについて、不振だとかスランプだと言う意見が多い。しかし、僕は去年の前半ができ過ぎであって、最近の調子は去年の後半と同程度だし、このまま行けば30本以上のホームランを撃つことになるのだから、それで十分じゃないかと思っている。投手としては、とんでもなくすごい投球で相手をねじ伏せたかと思うと、四球やホームランで早々点を取られる試合もある。差し引きすれば去年並のできだから、不満を口にするのは期待のかけすぎというものだ。

大谷選手はプレイオフに進出して、ワールドシリーズにも出たいと考えている。エンゼルスの今年の出だしは、その期待に応えたものだったが、これからはどうなるのだろうか。連敗阻止のために力投し、ホームランも撃って久しぶりにチームに勝利をもたらした。まだ3分の1を過ぎたところだから14連敗したら、14連勝したらいい。試合後のインタビューで彼は、そんなふうに応えていた。そうまで言わなくても、5割を回復させれば、後は終盤まで、食らいついていければと思う。

こんなわけで、最近の僕の一日は大谷選手の試合を見ることを基本にしている。昼前からの開始で晴れていれば、試合が始まる前に自転車に乗るし、試合が早朝なら、自転車は午後ということになる。梅雨になって、自転車も山歩きもできない日が増えたから、試合を見る以外することもない日もある。負けてばかりでは、そんなテレビも見る気がしなくなってくる。




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