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![]() ・このアルバムは2年半ぶりの日本ツアーにあわせて発売されたもので、僕はコンサートに行く代わりにこのアルバムを買った。前回には、その直前に"Standing in the Breach"が出されていて、それについてもこの欄で紹介した。6年ぶりの新譜だったから、2年半でまた新譜というわけにはいかなかったのだろう。しかし、前回一緒に行った知人が、感動的なコンサートだったとフェイスブックで書いていたから、よかったのだろうと思う。 ・このライブ盤がどこでのものなのかは明記されていない。あちこちのものから選曲したのかもしれないが、なかでOsakaと話す部分がある。集められた曲は、古いものから新しいものまである。聴いていると、ライブの様子が蘇って、懐かしくなった。政治や社会のことを率直に歌にして歌う姿勢と音楽性の高さを兼ね備えてミュージシャンは、今、彼が随一だろうと改めて思った。 ![]() ・"Roll With The Punches"は37作目で前作の"Keep Me Singing"から1年しか経っていない。批評の中に「原点回帰」といった言葉が多いように、ブルースをテーマにしたものだ。オリジナルもあるが、ボ・ディドリー、Tボーン・ウォーカー、サム・クック、そしてジョン・リー・フッカーといった人たちでおなじみのブルースの古典といった曲をカバーして、年齢を感じさせないほどに力強く歌っている。タイトル曲は「パンチで揺れる」といった意味だろうか。ロックンロールする歌と演奏は、ジャケット写真のように、まるでボクシングやプロレスを戦っているようである。 ・ジャクソンブラウンもヴァン・モリソンも「歌うために生まれてきた人」だ。そして「いつまでも歌い続け」ようとする人だ。ここにはもちろんもう一人、ボブ・ディランがいる。彼らとはこれからもずっと、死ぬまでのつきあいだ思っている。 |
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