CD & Concert Review

Back Next





●最近買ったCD

Damien Rice "Live From The Union Chapel"
Lisa Hannigan "At Swim"
Van Morrison "It's Too Late To Stop Now"
Radio Head "A Moon Shaped Pool"'
Neil Young "Earth"



rice4.jpg 前回取り上げたダミアン・ライスの3枚のアルバムが気に入って,しょっちゅうかけている。YouTubeで見られるライブの様子も良かったので、CDのライブ盤を買った。"Live From The Union Chapel" 。場所はロンドンの教会で、たくさんの人が入れるわけではない。しかし、ここでのライブ盤を出しているミュージシャンは少なくない。もちろん、教会だからロックなどの大音響ではなく、アコースティック・ギターをメインにしたものだ。
このライブ盤ではもちろん、ストリングスなどのバックはない。ライスの弾くギターが中心で、リサ・ハニガンとのデュエットが目立つ程度である。しかし、アルバムよりもずっといいと思った。

lisa3.jpg そのリサ・ハニガンが新しいアルバムを出した。" At Swim" アイルランドの歌姫とか女神などと言われて、今一番注目されている女性シンガーの一人になったようだ。日本でもテレビのCMにも使われるようになって、人気が出始めているのかもしれない。とは言えもう35歳。実力が認められてはじめて人気が出る。ヨーロッパの音楽状況は今でも健全だな,と改めて思った。
で、この新作だが、前の2枚よりももっといい。「秋」や「雪」などの季節感、海や森などの自然を歌ったもの、あるいは「死にゆく者への祈り」などが静かに歌われている。
morrison5.jpg 前記二人と同じアイルランド出身の大御所、ヴァン・モリソンが1974年に発表したライブアルバム "It's Too Late To Stop Now"は、持っていないという理由で買った。2枚組みで一箇所ではなく複数のライブから編集されたものだ。このCDは2008年にリマスター盤として売り出されている。一番精力的に活躍していた時期のライブだから、懐かしいというよりは元気はつらつさが心地いい。
実はもうすぐ新しいアルバムが出る。”Keep me singin'"というタイトルで、70歳を超えても健在だ。一昨年出したアルバムのタイトルは「歌うために生まれた」だった。死ぬまで歌うという宣言にも聞こえてくる。
radiohead1.jpg ラジオ・ヘッドのアルバムは5年ぶりになる。"A Moon Shaped Pool"'。初期のアルバムに比べて今ひとつという作品が続いたが,本当に久しぶりにいいな、と思った。タイトルは「月の形の水たまり」でジャケットもそう言われればそれらしく見える。しかし、内容的にはタイトルに関連するものはない。ただし、繰り返し聴いても飽きないが、また,印象に残る曲もほとんどない。車を運転しながら聴くのにちょうどいい。朝ではなく仕事帰りの夕方や夜で、「あー疲れた」などと思うときに聴きたくなる。
young7.jpg 最後はニール・ヤング。反モンサントのアルバムが出たばかりだが、この"Earth"はライブ盤で、主に2015年のライブから選んだようだ。バックは前作の"The Monsant Years"同様、「プロミス・オブ・ザ・リアル」で、若者たちに負けずにがんばっている。ただし2枚組みで、ライブ音に被せて,カエルや鳥の声、蜂の羽音、犬の遠吠え、鯨の鳴き声、そして風の音などが入っている。タイトルは"Earth"。その名の通り、地球環境をテーマにして,全体が一つの作品になっている。彼もまた70歳を超えているが、メッセージを前面に出したアルバム作りで、その健在ぶりを示している。




BLOG