CD & Concert Review

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●最近買ったCD

Pearl Jam "Lightning Bolt" "Riot Act"
Travis "Where You Stand"
Stereophonics "graffiti on the train" "Keep Calm and Carry on"


jam1.jpg エディ・ヴェダーはいいけどパール・ジャムはちょっとうるさい。そんな印象があって、最近のパール・ジャムのアルバムは買わなかったのだが、ヴェダーの"Into the Wild"と"Ukulele Songs"がよかったから、新しく出た"Lightning Bolt" を買ってみた。やっぱりグランジだからうるさい曲が多いけど、じっくり聞かせる落ち着いた曲もある。「サイレン」は夜サイレンが鳴り響くアメリカの都会をイメージさせる。「ペンデュラム」は振り子という意味だが、落ちるところまで落ちて高さがわかるとか、火の中にいるのに寒い、あるいは未来の明るさが照らすのは行くべき場所がないということ、といったことが歌われている。
jam2.jpgパールジャムのアルバムはデビュー後の3枚だけしか持っていなかったから、ほかにも何枚か買った。"Riot Act"は2002年に出たアルバムだ。タイトルは9.11の1年後ということが関係しているのかもしれないが、アルバムと同名の曲はない。「アイ アム マイン」には次のような歌詞がある。
海は泣き叫ぶ人たちの涙で溢れている
満月が高潮を被る人たちを探している
悲しみが否定される時こそ、悲しみが大きく膨らむ
俺の気持ちを知っているのは俺だけ
俺は俺
travis1.jpgトラヴィスの"Where You Stand"は5年ぶりのアルバムだ。しばらく出てないと思ったが、5年とは久しぶり。ただし、相変わらずのトラヴィス節で、以前のアルバムと続けて聴いたら、どれがどれやらわからないほどだ。と言って批判しているわけではない。コールドプレイはすっかり飽きて、もう聴く気がしないが、トラヴィスとはまだまだつきあい続けたい。そんな気持ちになった。地味で、それほどメッセージ性もないけれども、いつも曲が美しい。そう言えば、同じスコットランドのグラスゴー出身のスノウパトロールも最近聴いていない。アルバムが出ているようだから、買うことにしようか。
stereophonics5.jpg ステレオフォニックスはうるさいけれども曲がきれいだから、僕の基準では、パールジャムとトラヴィスの中間に位置する。ウェールズ出身のバンドで、このコラムでも幾度か取り上げたことがある。しかし、調べてみると2008年だから、このバンドも5年ぶりとなる。もっとも、"graffiti on the train" の前に"Keep Calm and Carry on"が2010年に出ていて、これは気づかなかったからあわせて購入した。

アルバム・タイトルになっている「列車の落書き」は、彼女に見せようと列車に「結婚しよう」と落書きをして、足を滑らせて死んでしまった男の物語だ。ストーリー・テラーであるのもこのバンドの魅力で、この歌は、翌朝彼女が駅で待っていると、その列車がホームにやってくると続く。乗ろうとしたドアに「結婚しよう、愛してる」と書いてあって、彼女は彼に電話をするが、ベルは鳴りっぱなしのままだ。
stereophonics4.jpg"Keep Calm and Carry on"は第二次大戦中にイギリス政府が発行したポスターの標語だ。「冷静に、続けよ」といった意味で、爆弾が降る中でも紅茶を飲む冷静さと、しかしあくまで戦い続ける不屈の精神をもったイギリス人を表す標語として、戦後も使われたようだ。タイトルと同じ曲はないから、なぜこんな題名をつけたのかはわからない。しかし、以前のアルバムに比べて穏やかで、じっくり聴かせるサウンドになっている。二枚ともものすごくいいできで、改めてこのバンドの実力を確認した。




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