"Kerouac kicks joy darkness" には40人を越える人びとが登場する。作家、詩人、ロックミュージシャン、映画俳優、ジャーナリスト。それにケルアック本人。さまざまな人たちがケルアックの書き残したことばなどを朗読したり歌ったりしている。同時代の詩人であるA.ギンズバーグ、ローレンス・ファーレンゲッティ、ウィリアム・バロウズ。ロック・ミュージシャンではパティ・スミス、ジョン・ケイル(「ヴェルベット・アンダーグラウンド」)、スティーブン・タイラー(「エアロ・スミス」)、ジョー・ストラマー(「クラッシュ」)、それにフォーク・シンガーのエリック・アンダーソン。もちろんケルアックはすでに1969年に死んでしまっているが、若い人の参加も少なくない。たとえば、「REM」のマイケル・スタイプ、「パール・ジャム」のエディ・ベダー、「カム」『バスケット・ボール・ダイアリー』のジム・キャロル、映画俳優のマット・ディロン。そんな多様な人たちの多様なパフォーマンスを聴いていると、ケルアックやビートの影響が現代にも深く、広く及んでいることがよくわかる。