Back |
---|
![]() で、開演直前に買った席は2階席の最前列。後ろにはほとんど客はいなかった。そのせいではないと思うが、ずいぶん手を抜いたコンサートだった。照明がシンプルというよりは、ほとんど変化がない。音のバランスが悪くて歌詞がほとんど聞き取れない。黒いTシャツから出た棍棒のような太い腕を動かして弾くギターはただ音が大きいばかりで声の邪魔をしているようにしか感じとれなかった。 ひどいコンサートだな、アンディ・ウォホールの幻想やパンクに影響を与えたというカリスマ的な神話はどこへいった、とつぶやきながら聴いているうちに、あー、ルー・リードらしいなと感じはじめてきた。彼のアルバム『ベルリン』や『ニューヨーク』は明らかに、ライブ・ハウスで聴く種類の音楽だ。『ベルリン』はコンサート・ライブ盤だが、途中で赤ん坊の泣き声や幼児の「マミー」という声が入る。しかし、そんなことお構いなしに歌うルー・リードの迫力は圧倒的だ。 せめて「クアトロ」、できれば「拾得」あたりで聴きたかった。そうすれば、もっと客席とのやりとりがあったかもしれない。だって、『ブルー・イン・ザ・フェイス』では、とぼけた顔してオシャベリしていたんだから。 |
感想をどうぞ |
---|