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●最近読んだ本 |
2月4日 |
![]() ・読んでみて、そういった違和感は解消されたが、これまでの本で経験した、それこそ読んで目から鱗といった読後感は持たなかった。この本の主役は3Dのプリンターで、話の多くは、まだ現実には顕著に現れていない、将来の可能性のように思ったからだ。 ![]() ・このことは売る側にも言えることで、アマゾンや楽天に出店すれば、日本全国から注文が飛び込んでくる。そしてアマゾンに出店するのもきわめて簡単だ。あるいはYahooなどのオークションを使えば、不要になったモノを売ることもできる。ネットは個人間の取引に大きな市場を提供することができたのである。 ![]() ・インターネットは世界中を一つにしたから、必要な人材やアイデア、あるいは労力を世界中から募ることができる。「クラウドソーシング」は「群衆(crowd)」と「業務委託(sourcing)」を一緒にした造語だが、ネットが可能にした全く新しい仕事や雇用の形態にもなっている。ここにももちろん、自発的な参加や協力と報酬や対価を求めないという原理が生きている。 ・アンダーソンが『MAKERS』で指摘しているのは、資本や大がかりな機会や専門的な知識や技術がなくてもモノ作りができて、それをビジネスにすることもできるという指摘だ。それを可能にするのがネットであるのはもちろんだが、パソコンでデザインしたものを形あるものにしてくれる3Dのプリンターや3Dのスキャナー、レーザー・カッター、そして木や金属の塊から思い通りのものを切り出すコンピュータ制御の工作機械(CNC)などである。 ・パソコンでする木工や陶芸、彫刻をイメージしたらいいのかもしれない、アイデアと創造力があれば技術は必要ないし、良くできたものには商品価値が生まれるから、モノ作りの分野でのロングテールやクラウドソーシングの伸張につながることは容易に想像がつく。けれども、それらをビジネスとして成り立たせる世界は一人勝ちだから、グーグルやアマゾンがますます巨大になるだけだという一面は指摘しておかなければならない。それに、土や木や金属から何かを作り出すのは、それ自体が戯れとして楽しい行為なのだから、そこをパスして何がおもしろいの、と思う気持ちも残ってしまう。 |
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