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祝!!50周年 NGDB

Nitty Gritty Dirt Band "Circlin' Back - Celebrating 50 Years"
John Prine "For Better or Worse"

ngdb1.jpg・「ニッティ・グリッティー・ダート・バンド」は1966年にデビューしている。その50周年を祝うコンサートが2015年にナッシュビルの「ライマン・オーディトリアム」で行われた。このCDはそのライブ盤である。

・50年の間にメンバーはずいぶん入れかわったが、ジェフ・ハンナとジミー・ファッデンは代わらない。初期にはソロ・デビュー前のジャクソン・ブラウンが参加していたし、オールマン・ブラザースと活動を共にしていたこともある。他にもケニー・ロギンズやイーグルス、あるいはジェリー・ジェフ・ウォーカーなどとも一緒だったこともある。実際彼らの最大のヒットはジェリー・ジェフ・ウォーカーが作った「ミスター・ボージャングル」だし、ケニー・ロギンズの「プー横丁の家」だった。

ngdb2.jpg・カントリーやフォーク、あるいはロックミュージシャンと幅広い関係を持ち続けてきたバンドで、1972年には「このサークルは壊れないだろう」というタイトルのアルバムを出し、さらに89年に同名のタイトルで「Vol.2」を出している。どちらも、大勢のミュージシャンが参加したライブ盤だった。地味なバンドだが、誰かとの共演やバックバンドとしてよく名前が出てきてもいた。同じような役割を担ってきたバンドとして、ロックなら「ポール・バター・フィールド・ブルース・バンド」があった。残念ながらポール・バター・フィールドは1987年に死んでいる。

・この50周年を祝うアルバムにも「サークリン’ バック」とついているように、大勢のミュージシャンが参加しているし、最初の曲はボブ・ディランの「ユー・エイント ゴーイング・ノーホエア」で最後は「ウィル・ザ・サークル・アンブロークン」だ。ジャクソン・ブラウンは「ジーズ・デイズ」など2曲を歌っているし、ジェリー・ジェフ・ウォーカーが「ミスター・ボージャングル」、ジョン・プラインが「パラダイス」などを歌っている。

prine1.jpg・そのジョン・プラインが新しいアルバムを出した。タイトルは「フォー・ベター・オア・ワース」(どんなことになろうと永遠に)で、結婚式の宣誓式で使われることばである。ジャケットも表は結婚式の二人で、裏は海を眺める老夫婦の後ろ姿になってる。彼もまたデビューしてから50年近くなる。地味だが多くの人に歌われてヒットした曲も少なくない。アル・クーパー、ボニー・レイト、ベット・ミドラーなどで、ベットが歌った「ハロー・イン・ゼア」は大ヒットをしている。

・「ハロー・イン・ゼア」は子どもが家を出たり戦死して、夫婦二人だけになった老人を語った歌だ。年月が経てば木は大木になるし、川も大河になる。なのに人間は孤独になっていく。そんな内容だ。今になってしみじみわかる歌だが、彼がこれを作ったのは、まだ30歳にもならない時だった。

prine2.jpg・「フォー・ベター・オア・ワース」はカントリー調のサウンドで、全曲女性とのデュエットだ。誰一人知らない人ばかりだが、「マイ・ハッピネス」をパートナーのフィオナ・プラインと歌っている。結婚は三度目のようで、フィオナとプラインは親子ほど歳が違う。子どもも3人いるようだ。「ハロー・イン・ゼア」の主人公の歳になってもけっして孤独ではない。そんな彼の気持ちが、アルバム全体に溢れている。

・同世代のミュージシャンがずいぶん死んでしまっているが、元気に新しいアルバムを出し、コンサート活動をしている人もいる。僕もこのサークルを遠巻きにして、いつまでも聴いていたいと思う。

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2017年01月16日 06:57に投稿されたエントリーのページです。

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